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 ぼくたちの哲学教室


北アイルランド、ベルファストにあるホーリークロス男子小学校で哲学を教えるケヴィン・マカリーヴィー校長先生の活動を追うドキュメンタリー映画『ぼくたちの哲学教室』を観ました。

ホーリークロス男子小学校は、ベルファストのアードイン地区という労働者階級の住宅街にあり、この地域は今なお北アイルランド紛争による宗教的・政治的対立の余波が残る、治安の悪い地域なのだそう。

犯罪やドラッグが身近にあり、若者の自殺率が高いこの地域の少年たちの未来をよりよいものにするために奮闘するケヴィン校長先生ですが、先ず驚くのは、校長という立場の人が生徒に直接教育する現場仕事を担っていること。
日本で、いわゆる管理職の立場の校長先生が現場仕事している学校ってあるのかしら?

それはさておき、生徒たちと「哲学」的に対話することで、自分の中の不安や怒りといった負の感情をコントロールする術を身に着けてもらおうという取り組みは素晴らしく、さらに、周りの先生たちも丁寧に生徒たちと向き合い、その献身的な姿に心打たれます。

こんなにかわいらしいキッズたちが、ドラッグや犯罪に手を染めていいはずがないのです。
ましてや自殺など!

この学校に通っている生徒たちは、よい先生に巡り合えてとてもラッキーだと思いますが、それでも道を外れる生徒がいるという現実は、なんともやるせないと言うか……。

あと、気になったのは、お昼の学校給食のシーンがちょこっと映ったとき、キッズたちの食べるその給食の内容がかなり粗末な感じだったこと。

ここ日本でも、内容も量もお粗末すぎる学校給食の写真を何度かネットで見かけたことがありますが、学校は、子どもの食育にももっと力を入れて取り組まねばならないのではないかと。
イギリスの有名シェフ、ジェイミー・オリヴァーが学校給食の質の向上に取り組む番組を観たことがありますが、彼の視点は正しいと思います。

子どもの教育のあり方は、深い深いテーマですが、ケヴィン・マカリーヴィー校長先生のような人が日本にもいることを願ってやみません。
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comment

しましま さん

コロナも今、第9波が来ているようなので用心しないとですね!

マカリーヴィー校長先生のような教師が世界中にいたら、さぞかし世の中平和になっていることでしょう。
他の国の事情は分かりませんが、今、日本は教師不足で先生たちは本当に大変そうですよね。
忙しすぎて、ここまで献身的に子どもたちの面倒が見られる先生はそうそういなさそうな気がします。
配信が始まったら、ぜひ観てみてください~

>>「S・エデュケーション」の校長

確か破天荒でやりたい放題な女性校長に変わったんでしたっけ?
記憶が怪しくなってます(汗)
そういや、なかなか新シーズンが始まりませんね。

枝龍さん、grandmaさん

私も見たいと思ってた映画です!
でもコロナを考えて渋谷に行くのを渋ってたんです。
お二人の感想を聞いてみたような気持ちになれましたので
家で見れるようになるまで待とうかな・・・と思います。
教育熱心な先生の存在を知るだけで人間もまだ腐っていない、と思えますね〜。
ドラマの、イギリスが舞台と思われる「S・エデュケーション」の校長も
日本でのイメージに近い学校経営=自分の成績という考え方なので
UK&アイルランドでもそのベルファストの校長先生みたいな人ばかりでもなさそうですね。

grandma さん

北アイルランド、我々には重要なポイントですよね。
推しは出ていなくても、推しのルーツに触れられる絶好の機会ですからね!
小学生のキッズたちがかわいくてかわいくて、コリンもこんな感じで学校通ってたのかな~なんて思いながら観てました。

>>卒業生をモデルにして描かれた「考える人」のミューラル

彼の将来が楽しみですね。
素敵な大人へと成長してほしいです。

>>忘れられない先生

いや~、素敵な先生じゃないですか~
生徒に考えさせて、発言させて、というのは本当に大事なことだと思うんですが、教育する側からすると、すごく骨の折れる仕事で体力も気力も消耗するから、一方的に「これはこうだからこうしなさい」と答えを押し付けるほうが楽なんですよね。
でも、そんな教育だと子どもの可能性がどんどん狭まっていっちゃうんでしょうね…

私には記憶に残るような先生はいないんですが、自分の記憶力のせいで覚えていないだけなのか、それとも本当にいなかったのか…

枝龍さん


私も観ました。
哲学のことなどほとんど理解できなくて
これが北アイルランドのことでなければ観ようと思わなかった映画です。

>今なお北アイルランド紛争による宗教的・政治的対立の余波が残る

これは本当に難しい問題ですね…
平和が成立しているとはいえ、未だくすぶっている感じですものね。

>校長という立場の人が生徒に直接教育する現場仕事を担っている

私もこれには驚きました。
先生として教えていたときと同じように
校長になってもずっと教え続けているんですね!
日本では当たり前のように現役を退きますよね?
違う学校もあるのでしょうか。
私の友達はずっと現役でいたい、と教頭、校長の道を選びませんでした。

>よい先生に巡り合えてとてもラッキー

ですよね~ 
少人数の学校のようですからラッキーな生徒数も一握りでしょう。
ケヴィン先生にはできるだけ長いこと教え続けていただきたいと
人ごとながら思っちゃいました。

卒業生をモデルにして描かれた「考える人」のミューラルが素敵でした。

校長ではなかったのですが私の中1のときの担任は少し似た教え方でした。
とにかく生徒に考えさせる。
どんどん生徒たちに発言させる。
そして既成概念に囚われるな、と繰り返し言われました。
専門は美術でしたが多才な先生で
たくさんの部活の顧問と副顧問を掛け持ちしていました。
私が中1ということは半世紀前どころの騒ぎではありませんが
今でも鮮明に覚えています。
忘れられない先生です。

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