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 エゴイスト


高山真の自伝的小説を、鈴木亮平・宮沢氷魚の競演で映画化した作品、『エゴイスト』を観ました。

普段、日本映画は全くと言っていいほど観ない私ですが、この作品は別。
というのも、私はこの作品の原作者、高山真さんのファンで、彼のエッセイとブログの熱心な読者だったから。

『エゴイスト』が映画化されるとのニュースを知ったとき、同時に高山さんが亡くなられたことを知り、ブログの更新がずっと途絶えていたのはそういうわけだったのかと納得。
癌を患っていたのは知っていたけれど、そうだったのか……。
ということで、高山さんの追悼の意も込めて、映画館まで足を運びました。

14歳で母親を亡くした主人公、浩輔(鈴木亮平)と、母子家庭で育った浩輔のパーソナル・トレーナー、龍太(宮沢氷魚)との恋愛関係、そして、龍太の母親と浩輔の親子のような人間関係を描いたこの作品。

先ず、高山さん本人を思わせる主人公・浩輔役が、鈴木亮平というのがポイント高い!
何を隠そう、私は数年前、東京に遊びに行ったとき、生の鈴木亮平さんと出くわしたことがありまして!
忘れもしない、表参道の台湾パイナップルケーキのお店「サニーヒルズ(SunnyHills)」で、友人とパイナップルケーキを食べていたら、なんとそこに、鈴木亮平さんが買い物に来たのです!
生の鈴木亮平さんは、テレビで見るよりも数倍イケメンでカッコよくて、それ以来、密かに応援しています。

余談はさておき、鈴木亮平さんの役作りがとにかく素晴らしく、実際の高山さんには会ったことはないけれど、きっとこんな感じだろうなと、全く違和感なく観れました。

そして、恋人・龍太役の宮沢氷魚の体当たりの演技!
宮沢氷魚さんは、そのルックスから勝手にアイドルっぽいイメージを持っていたので、まさかここまでやるとは驚きです!
この映画がR15指定なのはそういうことだったのかと。

龍太は表向きはパーソナル・トレーナーですが、裏の顔があり、その絡みで龍太のセックス・シーンがふんだんに盛り込まれ、それはまるで『Queer As Folk』を彷彿とさせるしつこさ。
正直こんなに盛り込まなくてもいいかも、とは思いましたが、宮沢氷魚という俳優に対するイメージがすっかり変わったのは確かです。

さらに、ほとんどのシーンが“寄り”で、“引き”の映像がほぼないカメラワークも特徴的。
そうすることで、登場人物それぞれの人間関係の濃さ、距離の近さを表しているのかなと解釈しました。

全体的に重たいトーンの中、浩輔とゲイ友達との軽妙な会話シーンがとても心地よく、自分もあのグループの輪の中に入りたいと、思わず羨望。

観る人それぞれの感じ方に委ねる、説明しすぎない演出も良く、高山さんはこの作品の完成を待たずに逝ってしまいましたが、きっと気に入ってくれているだろうと思える上質な作品でした。
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