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 写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと
SaulLeiter2023.jpg

ニューヨークが生んだ伝説の写真家、ソール・ライターのことを知ったのは、2020年。
東京でやっていた展覧会「永遠のソール・ライター」を観たのがきっかけでした。

それ以来、すっかりファンになった私は、今回、この展覧会が福岡にやってくるというニュースを知り、あの感動をもう一度(!)と喜び勇んで行ってきました。

展覧会に合わせて、ソール・ライターのドキュメンタリー映画『写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』の特別上映もあり、そちらも鑑賞。

ソール・ライターが2013年に89歳で亡くなる数年前に撮られた作品で、おじいさんになったソール・ライターがぼそぼそと人生観を語る姿を淡々と映しています。

有名になる、名誉を得る、といったギラギラした承認欲求ゼロ、むしろ誰にも気づかれたくないというソール・ライター。
それなのにドキュメンタリーを撮られているという矛盾に「まあ仕方ない」とぼやく、その「仕方ない」に、彼の生きざまが表れているというか何というか。

何でも取っておく性分らしく、未整理の過去の作品やら何やらで溢れかえっている住み家に、無秩序の中にも秩序があり、それが心地よいという感覚は、断捨離魔の私には目からうろこでした。

ソール・ライターがニューヨークの些細な日常の風景を好んで撮り続けた背景には、「幸福は人生の要じゃない、それ以外のすべてが人生なんだ」という人生観があり、“それ以外のすべて”に惹かれるからこそ、あんなに素敵な写真が撮れるのだと、このドキュメンタリーを観て感じました。

それにしても、ソール・ライターの作品を観ると自分でも撮れそうな気分になるのがすごい。
絶対に撮れないのに(笑)。

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