2019/10/22 13:28
前々から気になっていた、ベネディクト・カンバーバッチ主演のTVドラマ『パトリック・メルローズ』を観ました。
英国貴族階級に生まれ育ったパトリックは、幼い頃に実の父親から性的虐待を受け、それがトラウマとなり、ドラッグ、酒、セックスに溺れる破滅的な生き方しかできない日々を送るも、父親の死をきっかけに更生し、全うな生活を手に入れる。
しかし、その生活も長くは続かず、またしても壊れていくパトリック…。
それでも、彼をずっと苦しめてきた父親をはじめ、母親、父親の友人の死を経て、最後はまともな生き方をしたいと望むパトリックの生命力が勝り、再生するという、最強ジェットコースター人生を描いたドラマ。
この作品は「ダークコメディ」だと制作陣は語っていますが、笑える要素はいったいどこに?
特に、ドラッグと酒まみれの狂った生活を描いた第1話と、幼少期の辛すぎる日々を描いた第2話は、観ているこちらの気力・体力を奪われ、自分自身の健康状態がよろしくないとかなりダメージを食らってしまう、強力なアクが…。
しかし、そのアクに惹きつけられるのも事実で、気が付けば一気見。
なにより、演じる役者の巧さが光っています。
実は、ベネディクト・カンバーバッチの出演作をちゃんと見るのはこれが初めてなのですが、とにかく演技が素晴らしい!
脇を固める俳優陣も巧者揃いで、中でも、パトリックの母親役のジェニファー・ジェイソン・リーは、若い頃からしんどくてクセのある役ばかり演じている印象でしたが、その健在ぶりに感心。
他にも「この人は〇〇に出てた…!」と、他の作品で見たことのある俳優たちが多く出演していて、そういう発見も楽しかったです。
パトリックの両親といい、周りの大人たちといい、上流階級の人たちの底意地の悪さはハンパなく、父親からの性的虐待はもちろん、あのような環境で育ったら病まないわけがないと思う一方、ありとあらゆるドラッグをキメまくって酒も浴びるように飲む日々で、よく死ななかったものだと。
パトリックの、その強い生命力の源はなんなのか?
とにかく、パトリックには穏やかな人生を送ってほしいと願うばかりです。
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このドラマを見るとそう思っちゃいますよね。
恐ろしすぎて近づきたくないです…
まあ、心配しなくても近づく機会がそもそもないでしょうけど(笑)
可哀想すぎると突き抜けて笑えるというのは、分かる気がします。
とことん落ちてしまったら、もう笑うしかないというか。
そこで笑える人は、きっと立ち直れるんでしょうね。
ベネディクト・カンバーバッチは、かわいそうな役は特に上手いということですね!
いや、本当に上手かったです!