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 パターソン


アメリカ、インディ映画界の大御所、ジム・ジャームッシュ監督の『パターソン』を観ました。

ニュージャージー州パターソンを舞台に、路線バスの運転手で密かに詩を書くのが趣味のパターソン(アダム・ドライバー)の、とある一週間を描いた作品。

地味なパターソンの地味な日常で起こる、ちょっとした出来事をただ綴っただけにあらず、そこから垣間見える、人の可笑しさ、優しさ、温かさなど、人間愛がじんわり伝わってくる演出が、いかにもジム・ジャームッシュ!
どこか泣けて、心癒されます。

人は、その生き様が地味であっても派手であっても、生きていると何かしらショックを受けたり、傷ついたりすることがあるものですが、そんなとき、慰めや立ち直るきっかけを与えてくれるのは、必ずしも身近な人というわけではなく、意外と見ず知らずの人や、知り合い程度の浅い関係の人だったりするのが、人生の不思議なところ。
そういうエピソードが、あくまでもさりげなく描かれているのがグッときます。

アダム・ドライバーの抑えた演技も素晴らしく、好みの俳優かどうかはさておき、その才能から、彼の出ている作品は何か確かなものがあるのではと思わずにはいられません。

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