2019/10/05 15:50
4月に現地参戦した、コリン・モーガン出演舞台『みんな我が子(All My Sons)』が、NTLive(ナショナル・シアター・ライブ)で観られるというので、さっそく行ってきました。
NTLiveとは、舞台の本場イギリスで上演されている数々の舞台作品の中から、ナショナル・シアターが厳選した選りすぐりの作品を世界各国の映画館で上映するプロジェクト。
イギリスに行かなくても、映画館の大スクリーンで、しかも日本語字幕付きで舞台が楽しめるのが嬉しい!
めでたく、2019年の上映リストの一つに『みんな我が子』が選ばれ、NTLive初体験しました!
現地観戦では、他の名だたる出演俳優そっちのけで終始コリンにロックオンする独自目線でしたが、NTLiveでは、カメラが捉えた映像を観るためそうはいきません。
でも、実質主役と言っていいほど出番が多いコリンは、しゃべっていないときも映像に収まっていることが多く、さらに、カメラ目線ならではの顔面ドアップなどもあり、ファンの期待を裏切らないセンスのよいカメラワークでよかったです。
それにしても、物語が進むにつれて登場人物の醜い本性が露わになる中、コリンは一人ピュアなハートを保ち続け、それゆえに深く傷つく純粋好青年で、そういう役どころがピッタリハマっています。
気になるのは、後半の出だしでコリンが折れた木の幹をのこぎりで切るシーンが、いつもなかなか切れずに苦戦していて、今回もかなり大変そうでした。
下手に失敗するわけにもいかない真剣なシーンだけに、見ているこちらは毎回ハラハラドキドキ!
スパっと切れてしまうのも演出上違う感じですが、せめてもうちょっとスムーズに切れるよう、小道具さんは対処すべきと思います。
なんて、もう終わってしまった舞台に言ってもしょうがないのですが…。
主役の大御所俳優サリー・フィールドは、思い込みが激しすぎてうっとうしい母親役をやらせると右に出るものはいないという貫禄の演技。
私が唯一観ているサリー・フィールド絡みの作品は、90年代に人気を博したTVドラマ『アリー my love』のキャリスタ・フロックハートが出ていた『ブラザーズ&シスターズ』というドラマシリーズですが、ここでも、思い込みの激しさとおせっかいでキャリスタを何かと困らせる母親役が印象的でした。
コリンの父親役のビル・プルマンは、私の中では、メグ・ライアンがロマコメ女王として君臨していた90年代のロマコメ作品で、主人公の女子といい感じになるのに、結局トム・ハンクスとかマット・ディロンに持っていかれる振られ役のイメージなのですが、この作品では、欠陥部品と分かっていながらそれを戦闘機に装着し、結果21人もの兵士を飛行機事故で死なせてしまい、でもそれは家族のためにしかたなくやったことだと責任転嫁してますます家族から拒否られる、往生際の悪いダメ男を見事に演じています。
現地で観たときには英語の理解が怪しすぎて気づかなかったのですが、隣人の医師の奥さんが、表面的には愛想よくしながら実はかなり嫌味な性格だったことが、日本語字幕のおかげでよくわかりました。
コリン見たさでまた観に行きますが、当初は、上映期間中は毎日通いつめる勢いだったのですが、この作品の重さと長さが体力的にキツくて毎日は無理と判断、見れてあと2回ぐらいかなと思っています。
とにかく出演陣の演技が素晴らしく、今年のショーレースで『みんな我が子』が絡まないなんてありえないと思うのですが!
どうなんでしょうか!!