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 ゴッズ・オウン・カントリー


イギリス北部、ヨークシャー地方の広大な自然を舞台に織りなす男同士の恋愛映画『ゴッズ・オウン・カントリー』を観ました。

体の不自由な父親に代わり、一人で牧場を切り盛りする主人公の息子ジョニー(ジョシュ・オコナー)は、仕事も家族関係も行き詰まり、冷え切った環境の中で孤独を持て余している青年。
そこへ短期労働として雇われたルーマニア青年ゲオルゲ(アレック・セカレアヌ)がやってきて、牧場の仕事を共にしていくうちに、ゲオルゲの無垢な優しさに触れ、固く閉ざされていたジョニーの心はしだいに癒され、そして、気が付けばどうしようもなくゲオルゲに惹かれているのだった…。

ぶっきらぼうで人生投げやりなジョニーに対し、ゲオルゲは、年はさほど変わらない(と思う)のに人生の酸いも甘いも噛分けた成熟した大人で、料理もできる自立したイケメン。
ゲオルゲもジョニーと同じように無口なタイプだけれど、瀕死の赤ちゃん羊を救うひたむきな姿や、手を怪我したジョニーの患部を舌で舐めて手当てするといった、行動で示すその母性的な愛情は、幼いころに母が出て行ったジョニーにとって、最も飢えていた愛情なのだろうと思いました。

色々盛り込みすぎて、キャラクターの心理描写がどうにも浅くて唐突な展開の映画も多い中、この作品は、ゲオルゲとの共同生活で少しずつ変わっていくジョニーの内面がとても細やかに描かれています。
ジョニーとゲオルゲの恋愛関係はもちろん、ジョニーと父親の親子関係にも変化があり、お互いぶっきらぼうながらもお互いへの愛を示すやりとりは、物語の中でも特に刺さりました。

父親役のイアン・ハートは、映画『バック・ビート』のジョン・レノン役のイメージのまま、私の記憶が止まっていたこともあり、あまりの老けように驚愕!
『バック・ビート』は調べたところ1994年の作品なので、確かに年を取って当然とはいえ、それにしても老けすぎな気が…。

あとこの作品のキーにもなっている子羊ちゃんがとても可愛くて、癒されました。
死んでしまった子羊ちゃんの皮を剥ぐ、なかなかエグいシーンもあるのですが、それは瀕死から救ったまだまだ弱々しい子羊ちゃんの防寒用に着せるためで、ムートンを着せられた子羊ちゃんはとんでもなく可愛かったです。

ところで、この作品はセリフがかなり少なく、会話も字幕を読む限りさほど難しい言葉ではないはずなのですが、ヨークシャー訛り?が本当に聞き取れず、ルーマニア訛りのゲオルゲの英語のほうがよっぽど聞き取りやすかったです。

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