fc2ブログ
 2023年5月 RadioTimes コリン・モーガン インタビュー翻訳 ③
ここからは、コリンの昔話、仕事に対する考え、今後の予定など。
コリンは常に前を向いている人だということがよく分かる、興味深い内容です。
数年前、舞台『Translations』の再演のニュースを知った時、カムバックする主要メンバーが複数いる中、コリンの役は他の俳優に決まり、残念と思っていましたが、あれはスケジュールの都合とかではなくコリンが断ったんだなと、このインタビューを読んで納得しました。



この作品の主な舞台はロンドンだが、撮影はグラスゴーで行われ、イギリスの首都に似せるために、ロンドンバスをはじめ象徴的なものが数多くスコットランドに持ち込まれた。
モーガンにとってこの都市はゆかりのある場所でもあり、これは興味深い経験となった。

「僕はグラスゴーの演劇学校に通っていたんです、スコットランド王立音楽院です。」彼は言う。
「ここに来るのは卒業して以来なんですが、面白いことに、今回、僕が泊まっていたアパートは演劇学校の2年の時に住んでいたアパートの真向いだったんです。」

「当時の僕の前に、15年後、20年後の自分が突然現れたような奇妙な感覚でした。アパートの窓から、二十歳の僕が『ああ、この役者という仕事はうまくいくのだろうか?』と考えている姿が実際に見えたんです。」

もちろん、卒業後、モーガンのキャリアが軌道に乗るのに長くはかからなかった。
『ドクター・フー』のエピソード「Midnight」など、数々の役をステージとスクリーンでこなし、2008年、BBC1のファンタジー・シリーズ『マーリン』の主役で大ブレイクした。番組はその後、5シーズンに渡り大きな成功を収めた。

このシリーズは2012年に終了した後もカルト的な人気を博し、一部のファンは長い間、再集結やリブートを叫び続けてきた。
しかし、モーガンは番組を懐かしく振り返ることはあっても、その役への復帰については今のところ考えていないようだ。

「多くの俳優は、過去を振り返ることはあまりせず、もっと前進することを考えていると思います。」彼は説明する。
「舞台でも時々、出演した作品が再演を望まれて戻ってくることがありますが、僕がそれに応じないのは、僕はもうタオルを乾かして、僕ができることは全て洗い流してしまったからです。」

「どのプロジェクトでも心掛けていることなんですが、僕は毎回、持てる力を110%つぎ込んで、終わったときには、できることは全てやり尽くしたと思えるようにしたいんです。なので、『マーリン』のようなプロジェクトは、チームとして完全にやり遂げたと実感していて、今振り返ってみても、僕や皆がやったその仕事にはとても誇りを持っています。」

今後について、モーガンには完成間近のプロジェクトが数多く控えている。
ジェシカ・ラング、エド・ハリス、ベン・フォスターと競演する、ユージン・オニールの名作戯曲『夜への長い旅路』の映画化作品で重要な役を演じ、エマ・アップルトンを相手にパラマウント・プラスの法廷スリラー『The Killing Kind』に出演する。
そして、まだ公表はできないが、現在、あるプロジェクトを撮影中だ。
彼がここ最近の役探しで重要視しているのは、「バラエティ」と「コラボレーション」だと言う。

「僕は、やったことのないもの、挑戦できるもの、バラエティに富んだもの、そして、情熱のある人たちを求めています。」彼は説明する。
「今、特に重要視しているのは“コラボレーター”で、その人は、演技だけではなく意見を持っている俳優を求めていて、脚本や物語についての考えや知識のある俳優と仕事をしたいと思っている人です。」

「僕のバックグラウンドがそうなんです。僕の最初の仕事は、全て舞台用に書き下ろされた作品で、ライターと一緒に成長させ、進化させ、形にしていきました。それは、僕にとって何よりもやりがいのあることです。」

「今の人々が欲しているのはそれなんだと思います、状況は変化しました。人々は多面的な俳優を求めていて、この仕事に就きたい人は、演技のことだけでなく、360度全てに渡って考えることが大事です。」

-終わり-
  2023年5月 RadioTimes コリン・モーガン インタビュー翻訳 ②
次は、『Dead Shot』より前に出演した、同じく北アイルランドが舞台の映画『ベルファスト』の話題と北アイルランド問題、『Dead Shot』で火花を散らすマイケルとテンペスト(アムル・アミーン)の関係性などについて語ります。



近年、その紛争を背景にしたプロジェクトにモーガンが関わるのは『Dead Shot』が初めてではない。
2021年、彼はケネス・ブラナー監督のオスカー受賞作『ベルファスト』で重要な役を演じ、こうした物語に観客が引き込まれるのを見て、大きなやりがいを感じた。

「特に『ベルファスト』では、自分の一部であるものが世界に届き、普遍的な方法で人々の心に響くのを見て、それは素晴らしいことだと思いました。」彼は言う。
「物語を見たり、アクセントを聞くと、そこに自分と繋がる何かがある。そして、世界中の人々も同じなんだと知ると、自分のアイデンティティが認められているという誇りを感じずにはいられません。」

北アイルランドで育つ中で蓄えてきた彼の紛争に関する知識に加え、モーガンは『ベルファスト』の役を演じる準備のために多くのリサーチをした。
これは新作でも再び役に立ったと彼は言うが、『Dead Shot』自体は、必ずしも「北アイルランドの時代について人々を啓蒙しようとすることに関心があるわけではない」と強調する。

「北アイルランド問題を扱う作品は全て、その詳細にまで踏み込まなければならないわけではありません。」彼は言う。
「それがこの作品の新鮮なところだと思います。でも、俳優として、それらに精通していることは重要で、どんな時代であれ、それはいつもやる価値のあることで、僕はいつもやっています。」

この作品で最も興味深い事柄の一つは、マイケルの敵であるアムル・アミーン演じるテンペストの複雑さだ。
決してストレートに同情的に描かれているわけではないが、キャラクターは純然たる悪役ではなく、むしろ憎たらしい上司によってひどい状況に追い込まれた弱者として描かれている。
同時に、テンペストは人種差別が日常的だった時代に生きる黒人という事実が、この複雑さに間違いなく拍車をかけている。

「僕が最初から監督に言っていたのは、この二人には分断より結びつきのほうが多いということです。」モーガンはマイケルとテンペストの関係性について語る。
「二人ともロンドンにいて、そこは当時“No dogs, no Blacks, no Irish”と掲げてあった場所です。」

「彼らはよそ者として扱われる、完全なアウトサイダーだということなんです。その時代は、アイルランド人がロンドンに行くと、完全に避けられました。彼らは避けられ、拒絶され、よそ者として扱われることを知っている人たちなんです。そして、彼らが互いにこの悲劇に巻き込まれるという事実は、ある意味残念なことです。」

「この時代の北アイルランドでの悲しいことは、宗教と国籍の大きな対立が統合を妨げていたことです。」彼は加える。
「残念ながら、今も北アイルランドには確実に存在しています。少なくはなっていますが、でも、完全に無くすのは難しいと思います。」

「レッテルやアイデンティティや国籍といったもので人との繋がりが妨げられるのは悲しいことです。あなたの親友は、軍隊にいた人だったかもしれないのです。」

続く…
 2023年5月 RadioTimes コリン・モーガン インタビュー翻訳 ①


5月12日に配信開始の、コリン・モーガン主演最新作『Dead Shot』。
残念ながら日本では観れませんが、海外コリンファンがこっそりアップしてくれているコリン出演シーンのみの動画を観てしまいました。
まだざっと観ただけで、当然ですが日本語字幕もないので、内容を理解するには程遠い状態ですが…。

それはさておき、イギリスのエンタメサイト「RadioTimes」が、公開に合わせてコリンの独占インタビューを掲載!
『Dead Shot』の話題はもちろん、過去の出演作品や舞台の話題、今後の予定などにも触れられている盛りだくさんのインタビューを、さっそく翻訳チャレンジしました!
数回に分けてアップしていきます。


インタビュー記事

先ずは、『Dead Shot』について、コリンがこの作品に惹かれた理由について触れます。
ちなみに、今回のコリンの役どころ、マイケルは、コリンと同じ北アイルランドのアーマー出身という設定だそうです。



スカイシネマとNOWで先週配信の新作スリラー『Dead Shot』は、『マーリン』のコリン・モーガンがアイルランド共和軍所属のマイケル役に扮し、引退間近に彼の子を妊娠中の妻がイギリス軍の兵士によって惨殺される。

Top Boyのクリエイター、ローナン・ベネットによるオリジナル脚本をもとに、トム&チャールズのガード兄弟が監督、1975年の紛争の真っただ中にロンドンのIRA中核部へ送り込まれ、復讐のミッションに乗り出すマイケルを追う。

モーガンは、最初にこの“ページをめくる手が止まらない”脚本を手にしたとき、彼のキャラクターに内在する矛盾をはじめ、多くのことに惹きつけられ、中でも、観客は誰の味方になるべきかという点における、ある種の曖昧性に魅了された。

「北アイルランド人なので、人は僕をこっち寄りだと思うかもしれませんが、この物語とこのドラマは、間違いなく両方の側を見ています。」彼はRadioTimes.comの独占インタビューで語る。
「つまり、僕は両方の側にいるということで、それはかなりの成果だと思います。」

「矛盾は、僕が主として探していることです。」彼は加える。
「60年代から70年代初頭の北アイルランドの、特に国境沿いの州にいる何人かの男が、ある運動に巻き込まれるのですが、それを見て僕は考えます。もし自分がこの時代に生まれていたら何か違っていたのか?男として生き残るには何をしなければならなのか、それは時代によって決められてしまうのか?と。」

「僕が駆り立てられたのはそういうところです…、彼は父親になりたかった、未来を生き抜きたかった。映画の冒頭では、彼は活動を置き去りにして、ただ残りの人生を始めようとしただけに見えますが、すぐに奪われてしまいます。」

作品の準備にあたり、モーガン自身がマイケルと同じアーマー出身であることは大きな助けになった。
育った時代は違えど、キャラクターを理解するのに彼の個人的な経験が大いに役立ったのだ。

「事前に僕がガード兄弟に言ったのは、僕は自分の観点だけでなく、アーマーで育った人間として持ち込めるもの全てをキャラクターに持ち込むつもりだということです。」彼は言う。

「それはタダで手に入ります、それがそういう場所で生きることの複雑さで、僕は終わりに近い時代に育ちましたが、それでも自分の文化の一部であり血となっています。そういうものを見て育つと、自分の記憶に残ります。その時代を経験していなくても、経験した大人たちに囲まれていたのは確かです。」

続く…
 Fabric Magazine - 2023年2月 - ジャック・ローワン インタビュー翻訳 ④
最後は、元々アマチュアボクサーだったジャックくんが俳優を志すようになった経緯、オーディションのこと、将来の夢について語ります。
ジャックくんは舞台にも挑戦したいと語っているのが嬉しいです。



怪我と言えば、元々、彼が演技の道を志すきっかけとなったのは怪我だった。
「演技は、幼い頃から本当にやりたいことではなく、なんというか、学校での好きな科目という位置づけで、演劇をいつも楽しんでいました。でも、当時はボクシングをやっていて、アマチュアボクサーで、僕はそっちの方向へ行くと思っていました。」彼は説明する。
「僕はカムデンにある小さな演劇クラスに土曜日に通っていました。でも、ボクシングもあって、ボクシングは月・水・金でした。学生時代という成長期に、ボクシングは逃げ場を与えてくれて、実際に何か困った事態になったとき、別の焦点を与えてくれました。そしたらある日、パンチバッグをパンチしていたときに背中を怪我して、そんな劇的なことではなく、大したことない些細な怪我と思っていたら、もっと深刻な、ボクシングを止めざるを得ないほどの怪我だと分かり、突然、トレーニングの日々から何もない日々になってしまって。情熱がなくなりました。」

月日が経つにつれ、彼は新たに何か打ち込めることを見つけなければならないと理解した。
「僕は演技を楽しんでいたことに気づき、もっとそれに力を入れるようになりました。突然、土曜のために生きるようになったんです、かつてボクシングのために生きていたように。」彼は話す。
「学校の宿題よりも土曜の宿題のほうをよくやっていました。そして、最初の仕事で状況は一変しました。自分はどれほど俳優になりたかったのかということを実感したんです。最初の仕事の後、1回だけ試合があって、それに負けて、何というか、もういいだろうと。ボクシングは僕が必要としたらそこにあったけど、もう必要ないと分かったんです。」

『Peaky Blinders』でボクサーのボニー・ゴールド役をオファーされた時、二つの世界は一時的に交差した。
BBCのヒット番組のシリーズ4から5にかけて5エピソードに出演し、彼はリングでのスキルを披露する機会を得た。
ただし、それ以来、彼はボクシングをしていない。
「正直に言うと、軟弱になったんです。ボクシングは恐ろしくて。」彼は笑う。

とはいえ、彼はボクシングが教えてくれたことに感謝している、特に鍛錬と準備の重要性について。
「アマチュアボクサーの時は、全然試合がないかと思えば、突然、2ヶ月で3試合とかあったりするんです。」彼は振り返る。
「なので、何があっても常に準備しておくことを植え付けられました。ランニングをして、よく食べて、体重をキープする、なぜなら、突然、コーチから土曜日に試合があると言われるかもしれないので。トレーニングが足りてなかったり、体重が適正でなかったりすると対応できません。ボクシングは常に努力することを教えてくれました。リングをオーディション・ルームに見立てた場合も、やることは同じです。脚本は読んだ、セリフは覚えた、自分は何をするか考えた、そうすると、皆の前に立つときは、すでに準備してきているから迷うことはありません。」

オーディションは、いつも厳しいものだろう。
「夢は、そういうことをしなくてもオファーが十分にある立場になることです。」ジャックは説明する。
「これまでの役は、全て自分で取りに行く必要がありました。何かを手に入れなければならないとき、それを誰かが簡単に奪ってしまうかもしれない。他の誰かとは違う形で自分がその役にふさわしいと証明できるかどうかは、自分次第です。なので、自分が十分に知られていて、監督から十分に信頼されていて、『この役にはこの人だ』と言ってくれるような立場になりたいです。そしたら、落ち着いて脚本が読めるし、自分のやりたいことができてハッピーでいられます。」

夢のシナリオはそうだが、夢の仕事は?
「それは言えません。」彼は肩をすくめ、「でも、どこかで待っていることを望みます。僕は、10代のサイコパスを演じるまでは、そんな役を演じたいと思っていませんでした。」彼は笑う。
彼は舞台にも挑戦したいと思っている。
「僕は舞台が好きです。昨日は、『A Town Called Malice』で僕の母親役のマーサが出ている舞台を観に行きました。マーサ・プリンプトンはソーホー・プレイスで『As You Like It』に出演してたんです。」彼は明かす。
「僕の演技のルーツは、アマチュア・ドラマ・シアターですが、仕事が来るのはテレビや映画です。舞台への情熱は常にあります、近いうちにその道が開けるといいんですが。やるとしたら、小さいハコがいいですね。僕は大きな劇場には興味がなくて、没入感のある小さい作品がいいです。いつか実現できたらと思います。」
その時はぜひ観てみたい。

-終わり-
 Fabric Magazine - 2023年2月 - ジャック・ローワン インタビュー翻訳 ③
ここからは、ジャックくんが注目されるきっかけとなったドラマ『Born to Kill』の話題に移り、ジャックくんにとってこのドラマがいかに自分の人生に影響しているかを語ります。



2020年夏、スクリーン・インターナショナル誌が選ぶ「明日の映画スター」にラインナップされたジャックのスクリーンでのキャリアは、天性の才能を持つロンドナーの彼が、チャンネル4の『Born to Kill』でサイコパスなティーンエイジャー、サムを演じて一躍脚光を浴びることになった。
そのパフォーマンスは満場一致で高い評価を受け、BAFTA主演男優賞ノミネートをはじめ、複数の主演男優賞にノミネートされた。
結果、彼はBAFTAウェールズの最優秀男優賞を受賞した。

「僕にとって、あの仕事以上に意味を持つ仕事はないです。」彼は言う。
「当時はエピソードものや短編映画に出たぐらいで、誰かが僕にリスクを負わせてくれたのはあれが初めてでした。でも、時にはそれが全てなのです。僕にとって、それは監督のブルース・グディソンとそのチームで、さらに、僕にとっても彼らにとっても成功したことが嬉しいです。僕に名声を与えてくれて、仕事への自信を与えてくれて、残りの人生に自信が持てるきっかけになりました。
自分はすでに何等かの形で証明されているという気持ちで部屋に入れるんです。今、僕が部屋に入ると、『Born to Kill』は僕が手にしているものです。そして、それは決して奪われない。」

ジャックにとってこの賞は、彼の人生を変える仕事に対する感情の全てを包含している。
「3月にBAFTAにノミネートされて、5月に授賞式があって、僕は受賞しなかったけれど、ノミネートされただけで十分でした。」彼は説明する。
「月日が経って、今度は突然、BAFTAウェールズにノミネートされ、何がどうなってるのか分からなくて。でも、『Born to Kill』はウェールズで撮影されたから、その資格があったんです。突然、どこからともなく、このシリーズが人生に戻ってきたんです。
受賞して、全ての経験はこのトロフィーに集約されています。それを見つめたり、無意識に目をやるたびに、それはここにあって、どこにも行かない、全ての感情、全てのストレス、全ての愛、全ての仕事…、全てがこの中に詰まっています。なので、それを手に取って完結した旅に思いを馳せるのが楽しいです。」

演劇を表す象徴的なマスクのブロンズ像は、驚くほど重いと彼は明かす。
「初めてこれを見た人はみんな持ってみたくなるみたいで、そして必ず驚きます。これは武器になりうると!もし足に落ちたら、しかもちょっとした高さから、そしたら本当に怪我します。本当に重いです。」彼は笑う。

続く…
 Fabric Magazine - 2023年2月 - ジャック・ローワン インタビュー翻訳 ②
続いて、『A Town Called Malice』の特徴について、さらに掘り下げます。
このドラマは80年代が舞台ということで、80'sのヒットソングがバンバン使われており、さらに、ドラマのタイトルはザ・ジャムの同名曲。
その絡みでポール・ウェラー様がカメオ出演しているらしい。
撮影時のバックステージ映像を観ましたが、お年を召しても髪の毛に全くうねりのない、まっすぐきれいな白髪のポール・ウェラー様がまぶしかったです。



スカイ・スタジオのコミッショニング・ディレクター、ガブリエル・シルバーはこのシリーズについて、次のように述べる。「もし『ダラス』と『パルプ・フィクション』がデュラン・デュランの曲に合う子供を作ったら、『A Town Called Malice』になるだろう、80年代のロマンスと欲望と暴力に、パイナップルと傘を添えて酔わせるカクテルだ。ニック・ラヴの脚本が見事に命を吹き込み、当時の輝かしいサウンドトラックに乗せて、視聴者はコスタ・デル・ソルの華やかでヴィヴィッドな世界に連れ戻されるだろう。」
実際、この8話のタイトルは、80年代初期のザ・ジャムのヒットソングで、音楽はこのシリーズの心臓部だ。

「ノリノリの音楽と、当時のファッションもすごく上がります。」ジャックは同意する。
「この番組で使われている80年代の曲はとにかく凄いです。1話1時間で、全8話のシリーズなんですが、撮影中、使われていた曲全てでプレイリストを作ったら、トータル4時間半ぐらいになりました。80年代で思い付くバンドは、たぶん全部このプレイリストに入ってるはずです!」

キャストとクルーはテネリフェ島で6ヶ月間過ごし、1980年代のスペインを再現した。
「あまり好ましくない場所があります!」ジャックはニヤリと笑う。
「僕はイギリスの冬の最悪の時期を免れられたんです。暗くなるのが早い、日の短い日々を避けられたんです。
テネリフェ島は素晴らしいロケーションでした。まだ手つかずの土地が残っていて、そこへ行くと、本当に80年代の気分になるというか。実際、インテリアもそうでした。土地が広くて、オープンスペースがあって、火星で撮影しているかのようで、ここはどこ?みたいな謎の場所です。テネリフェ島での6ヶ月間は、僕にとっては天国で最高の時間でした。」

素晴らしいチームの一員でいることでより良いものになると、彼は断言する。
彼らは放送前のキャスト向け上映会で再会した。
「期待を超えています。」彼は言う。
「ページ上で示されたヴァージョンから、最終的にスクリーンに映し出されたヴァージョンは、僕の想像した以上のものでした。後のチームと監督が素晴らしい仕事をしてくれました。全てにおいて…、僕たちはみんなが楽しめる世界を作り上げたと思います。80年代はすごく楽しいです。物語のトーンはスピーディーに変化して、『あ、この曲好き、このキャラクターいいね、カッコいい』と思っていたら、知らないうちにすごくダークになって、彼らのことが好きなのかどうか怪しくなっていきます。トーンは見事にシフトしていくので、常に何が起こっているのかと疑問が湧きます。完璧な現実逃避になると思います。僕は本当に本当に楽しみです。」

続く…



 Fabric Magazine - 2023年2月 - ジャック・ローワン インタビュー翻訳 ①
コリン・モーガンに次いで追いかけている俳優ジャック・ローワンが、イギリスの有料チャンネルSkyで3月16日から放送開始のオリジナルドラマ『A Town Called Malice』に主演!

ということで、番宣も兼ねてジャックくんのインタビューが立て続けにアップされており、今回は、Fabric Magazineのジャックくん独占インタビュー翻訳にチャレンジします。

Skyといえば、昨年撮影されていた、コリン・モーガン主演の『Dead Shot』(『Borderland』から名称変更)もSkyオリジナル。
こちらも、5月12日に放送決定のニュースが舞い込みましたが、しかし、『A Town Called Malice』も『Dead Shot』も、とにかくSkyは日本では観られないのが残念しかり。

気を取り直して、インタビュー翻訳の話に戻ると、コリンとジャックくん、二人のインタビューを訳していて感じるのは、言葉選びというか、話し方というか、それぞれの個性がかなり違うこと。

コリンは哲学的で学者的で固い印象、ジャックくんは若くてカジュアルで気さくな印象。
見事に対照的!
そんな二人の雰囲気を日本語でどう表現したらピッタリくるか、意味を訳すのも難しいけど、雰囲気を表現するのも難しい。
でも、それが翻訳の面白さであり醍醐味なのだと、ど素人ながら感じています。

ということで、ここからはジャックくんのインタビューを、数回に分けてアップします。


<ジャック・ローワン 独占インタビュー>
(インタビュー記事)

ジャック・ローワンは、彼の最新の役である80年代を舞台にした暗黒界のスリラー『A Town Called Malice』の主役の存在を顕在化したと言えるだろう。
「面白い話があるんです。」このプロジェクトについて話すために我々が座ると、彼は説明する。
「僕の睡眠パターンはコロナの時はおかしくなっていて、僕は夜更かしなんですが、とにかくおかしくなっていて。
ある晩、真夜中に寝られなくて、そういう日なんだと思ってプレステでクラッシュ・バンディクーをやり始めて、そしたら5時間ぐらい経って、太陽が昇っているのに気づいたんです。
なのでゲームを止めたら、突然、この色彩とアドレナリンから何もない静寂だけになって、そしたらやけに感情的になって、なぜか分からないけど泣き出してしまったんです。
ガールフレンドが起きてきて、大丈夫?と聞かれて、バカみたいだけど、僕は『80年代を生きられないのがほんと悲しくて』と言ったのを覚えてます。でも、その時は本当にそれが悲しかったんです。」

ほどなくして、彼は新しいSky Maxシリーズのオーディションを受けた。
「オーディションに受かったとき、彼らがこの番組を素晴らしい表現で例えたのを覚えています。80年代へのネオンまみれのラブレターのようだと。」
この番組の魅力は抗いがたいものだった。
それは、彼が望んでいたのに気づいていなかった夢の役が与えられたようなものだ。

ニック・ラヴによる脚本と製作総指揮で、物語はローワンのキャラクター、ジーン・ロードを追う。
彼はやる気のないギャングスターで、南ロンドンのロード一家の末っ子で、一家は肥えた牧草地で彼らの犯罪活動をリセットすべくコスタ・デル・ソルに移る。
「とにかくワイルドとしか言いようがないというか。」シリーズについて期待できることを聞くと、彼は笑う。
「アンサンブルだけど、物語の核となるキャラクターは、僕と僕のガールフレンド、シンディを演じるタヒラ・シャリフです。簡単に言うと、80年代のコスタ・デル・ソル、コスタ・デル・クライムとも呼ばれていた場所が舞台で、犯罪やドラッグが全て、って感じの物語です。」

続く…

| home |