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 バセドウ病 定期受診 9回目
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メルカゾールを3日で2錠生活も、6月で7ヶ月目に突入。
さすがにこのサイクルにも慣れたかと思いきや、時々カレンダーを見間違え、3日連続で飲んでしまい「あれっ?」となることもあり。

そんなこんなの2ヶ月間は、花粉症の症状もすっかり消え、まあそれなりの体調でした。
先生に特に報告するようなこともなく、血液検査の結果も問題なし。
4月に高かった、何らかのアレルギー症状があると上がるという好酸球と好塩基球の数値も、好酸球はすっかり正常値に戻り、好塩基球は基準値より0.1高いだけ。

ということで、そろそろ薬を減らすタイミングかと期待するも、それはまだ早いようで、またまた今のサイクルを続け、2ヶ月後に受診となりました。

ところで、私のかかっている病院はおしゃれなキャフェやレストランが立ち並ぶ薬院にあり、定期受診日は自分へのご褒美も兼ね、薬院散策して見つけたレストランをとっかえひっかえし、ちょっぴり贅沢なランチを楽しんでいます。

この日は、自然栽培にこだわった小麦を使ったイタリアンのお店に行き、ピザランチを堪能。
それはとっても美味しかったのですが、実は、このランチを機に、自分の中で前からうっすら疑っていたある症状が、決定的なのではないかと思いはじめ……。

それは、グルテン不耐症!

グルテンとは、小麦に含まれるたんぱく質の一種で、小麦に水を加えてこねることでモチモチとした食感を作り出す成分。
実は、グルテンは消化が悪いという性質を持っており、人によってはうまく消化できず、それにより体にさまざまな症状が表れるらしい。

私はここ数年、お腹がパンパンに張る腹部膨満感が日常的にあり、それは長年の便秘体質×加齢のせい、と結論付けていいものなのか?
日々、モヤモヤしながら過ごしていました。
というのも、食パンとか、パスタとか、ピザとかを食べると特にひどくなる感じがあったからです。

この日は、朝に食パンを食べ、徐々にお腹の張りが発生、お昼になっても張りは続いていたけれど、自分へのご褒美と称してピザランチを完食。
すると、張りはどんどん加速し、最高潮に!
以前、腸の手術後にお腹がパンパンに張ってあまりに苦しく一睡もできなかった、あのナイトメアが蘇るかのような張りっぷりを味わう羽目になったのです。

これはグルテンのしわざではと、いよいよ確信を持ち始め、試しにグルテンフリー生活をやってみようと思い立ったしだいです。

先ずは2週間、がむばってみようと思います。
とはいえ、グルテンフリーを始めるにあたり、それなりに調べてみると、巷には小麦が含まれている食べ物のなんと多いこと!
日本では日常的に使う醤油にも小麦が入っているとは、ビックリです。

ということで、完璧排除は難しいのであきらめ、分かりやすい食べ物はとにかく食べないようにして、体調の変化を見ていきたいと思います。
 TAR/ター


ケイト・ブランシェット主演の最新映画『TAR/ター』を観ました。

世界最高峰のオーケストラの一つ、ベルリン・フィルの首席指揮者に任命されたリディア・ター(ケイト・ブランシェット)は、その才能と努力でキャリアの頂点を築くも、教え子の一人が自殺したことを機に、ターの権力を利用した性的ハラスメントが暴かれ、人生が崩壊していく……。

という内容には違いないのですが、セリフが物語の解説になっている作品も多い昨今、この作品は、説明的要素がなさすぎ…!
おかげで、現実と幻想が入り混じる映像の、どれが現実でどれが幻想なのかさっぱり分からず、混乱しまくり。

物語の展開も、前半は、ターの指揮者哲学がひたすら語られるシーンが大半を占め、しかも難しい言葉を多用(それもターのキャラを表している一つの要素ではありますが)。
しかし、ターの性的ハラスメントが明るみに出る後半は、打って変わって場面が急展開し、前半と後半の展開スピードの落差が激しすぎ。

全てはトッド・フィールド監督が意図してやっていることに違いないにせよ、このクセの強い演出についていけた観客はどれほどいるのか?
とにかく私は分からなすぎて、家に帰ってネットでネタバレ解説を読んでやっと、なるほどとそれなりに理解した次第です。

とはいえ、分からないなりにも感じたのは、主人公ターは決して共感できるキャラではなく、自信満々で高圧的な権力者なのですが、そういうタイプの人は、地に落ちてもしぶとく生き残る生命力の強さを持っているということ。

もう這い上がってこないでほしいと思う人物ほど、這い上がる精神力をもっていて、それでも改心していればいいけれど、そうではなく這い上がってくる怖さを秘めているで厄介です。

ところで、キャストにマーク・ストロングの名前があり、聞き覚えのある名前と思ったら、コリン・モーガンの最新作『Dead Shot』で憎たらしい上司役を演っている俳優でした。
『ター』では全く別人で、名前を見て後から気が付きましたが、どちらの作品も強い存在感で場面を持っていく力のある名脇役です。

もちろん、主演のケイト・ブランシェットは熱演中の熱演で、これを最後に俳優業を引退するといった記事もチラッと目にしましたが、あそこまで役に入り込むと、体力・気力ともに凄まじい消耗があるのだろうと想像します。
 2023年5月 RadioTimes コリン・モーガン インタビュー翻訳 ③
ここからは、コリンの昔話、仕事に対する考え、今後の予定など。
コリンは常に前を向いている人だということがよく分かる、興味深い内容です。
数年前、舞台『Translations』の再演のニュースを知った時、カムバックする主要メンバーが複数いる中、コリンの役は他の俳優に決まり、残念と思っていましたが、あれはスケジュールの都合とかではなくコリンが断ったんだなと、このインタビューを読んで納得しました。



この作品の主な舞台はロンドンだが、撮影はグラスゴーで行われ、イギリスの首都に似せるために、ロンドンバスをはじめ象徴的なものが数多くスコットランドに持ち込まれた。
モーガンにとってこの都市はゆかりのある場所でもあり、これは興味深い経験となった。

「僕はグラスゴーの演劇学校に通っていたんです、スコットランド王立音楽院です。」彼は言う。
「ここに来るのは卒業して以来なんですが、面白いことに、今回、僕が泊まっていたアパートは演劇学校の2年の時に住んでいたアパートの真向いだったんです。」

「当時の僕の前に、15年後、20年後の自分が突然現れたような奇妙な感覚でした。アパートの窓から、二十歳の僕が『ああ、この役者という仕事はうまくいくのだろうか?』と考えている姿が実際に見えたんです。」

もちろん、卒業後、モーガンのキャリアが軌道に乗るのに長くはかからなかった。
『ドクター・フー』のエピソード「Midnight」など、数々の役をステージとスクリーンでこなし、2008年、BBC1のファンタジー・シリーズ『マーリン』の主役で大ブレイクした。番組はその後、5シーズンに渡り大きな成功を収めた。

このシリーズは2012年に終了した後もカルト的な人気を博し、一部のファンは長い間、再集結やリブートを叫び続けてきた。
しかし、モーガンは番組を懐かしく振り返ることはあっても、その役への復帰については今のところ考えていないようだ。

「多くの俳優は、過去を振り返ることはあまりせず、もっと前進することを考えていると思います。」彼は説明する。
「舞台でも時々、出演した作品が再演を望まれて戻ってくることがありますが、僕がそれに応じないのは、僕はもうタオルを乾かして、僕ができることは全て洗い流してしまったからです。」

「どのプロジェクトでも心掛けていることなんですが、僕は毎回、持てる力を110%つぎ込んで、終わったときには、できることは全てやり尽くしたと思えるようにしたいんです。なので、『マーリン』のようなプロジェクトは、チームとして完全にやり遂げたと実感していて、今振り返ってみても、僕や皆がやったその仕事にはとても誇りを持っています。」

今後について、モーガンには完成間近のプロジェクトが数多く控えている。
ジェシカ・ラング、エド・ハリス、ベン・フォスターと競演する、ユージン・オニールの名作戯曲『夜への長い旅路』の映画化作品で重要な役を演じ、エマ・アップルトンを相手にパラマウント・プラスの法廷スリラー『The Killing Kind』に出演する。
そして、まだ公表はできないが、現在、あるプロジェクトを撮影中だ。
彼がここ最近の役探しで重要視しているのは、「バラエティ」と「コラボレーション」だと言う。

「僕は、やったことのないもの、挑戦できるもの、バラエティに富んだもの、そして、情熱のある人たちを求めています。」彼は説明する。
「今、特に重要視しているのは“コラボレーター”で、その人は、演技だけではなく意見を持っている俳優を求めていて、脚本や物語についての考えや知識のある俳優と仕事をしたいと思っている人です。」

「僕のバックグラウンドがそうなんです。僕の最初の仕事は、全て舞台用に書き下ろされた作品で、ライターと一緒に成長させ、進化させ、形にしていきました。それは、僕にとって何よりもやりがいのあることです。」

「今の人々が欲しているのはそれなんだと思います、状況は変化しました。人々は多面的な俳優を求めていて、この仕事に就きたい人は、演技のことだけでなく、360度全てに渡って考えることが大事です。」

-終わり-
  2023年5月 RadioTimes コリン・モーガン インタビュー翻訳 ②
次は、『Dead Shot』より前に出演した、同じく北アイルランドが舞台の映画『ベルファスト』の話題と北アイルランド問題、『Dead Shot』で火花を散らすマイケルとテンペスト(アムル・アミーン)の関係性などについて語ります。



近年、その紛争を背景にしたプロジェクトにモーガンが関わるのは『Dead Shot』が初めてではない。
2021年、彼はケネス・ブラナー監督のオスカー受賞作『ベルファスト』で重要な役を演じ、こうした物語に観客が引き込まれるのを見て、大きなやりがいを感じた。

「特に『ベルファスト』では、自分の一部であるものが世界に届き、普遍的な方法で人々の心に響くのを見て、それは素晴らしいことだと思いました。」彼は言う。
「物語を見たり、アクセントを聞くと、そこに自分と繋がる何かがある。そして、世界中の人々も同じなんだと知ると、自分のアイデンティティが認められているという誇りを感じずにはいられません。」

北アイルランドで育つ中で蓄えてきた彼の紛争に関する知識に加え、モーガンは『ベルファスト』の役を演じる準備のために多くのリサーチをした。
これは新作でも再び役に立ったと彼は言うが、『Dead Shot』自体は、必ずしも「北アイルランドの時代について人々を啓蒙しようとすることに関心があるわけではない」と強調する。

「北アイルランド問題を扱う作品は全て、その詳細にまで踏み込まなければならないわけではありません。」彼は言う。
「それがこの作品の新鮮なところだと思います。でも、俳優として、それらに精通していることは重要で、どんな時代であれ、それはいつもやる価値のあることで、僕はいつもやっています。」

この作品で最も興味深い事柄の一つは、マイケルの敵であるアムル・アミーン演じるテンペストの複雑さだ。
決してストレートに同情的に描かれているわけではないが、キャラクターは純然たる悪役ではなく、むしろ憎たらしい上司によってひどい状況に追い込まれた弱者として描かれている。
同時に、テンペストは人種差別が日常的だった時代に生きる黒人という事実が、この複雑さに間違いなく拍車をかけている。

「僕が最初から監督に言っていたのは、この二人には分断より結びつきのほうが多いということです。」モーガンはマイケルとテンペストの関係性について語る。
「二人ともロンドンにいて、そこは当時“No dogs, no Blacks, no Irish”と掲げてあった場所です。」

「彼らはよそ者として扱われる、完全なアウトサイダーだということなんです。その時代は、アイルランド人がロンドンに行くと、完全に避けられました。彼らは避けられ、拒絶され、よそ者として扱われることを知っている人たちなんです。そして、彼らが互いにこの悲劇に巻き込まれるという事実は、ある意味残念なことです。」

「この時代の北アイルランドでの悲しいことは、宗教と国籍の大きな対立が統合を妨げていたことです。」彼は加える。
「残念ながら、今も北アイルランドには確実に存在しています。少なくはなっていますが、でも、完全に無くすのは難しいと思います。」

「レッテルやアイデンティティや国籍といったもので人との繋がりが妨げられるのは悲しいことです。あなたの親友は、軍隊にいた人だったかもしれないのです。」

続く…
 2023年5月 RadioTimes コリン・モーガン インタビュー翻訳 ①


5月12日に配信開始の、コリン・モーガン主演最新作『Dead Shot』。
残念ながら日本では観れませんが、海外コリンファンがこっそりアップしてくれているコリン出演シーンのみの動画を観てしまいました。
まだざっと観ただけで、当然ですが日本語字幕もないので、内容を理解するには程遠い状態ですが…。

それはさておき、イギリスのエンタメサイト「RadioTimes」が、公開に合わせてコリンの独占インタビューを掲載!
『Dead Shot』の話題はもちろん、過去の出演作品や舞台の話題、今後の予定などにも触れられている盛りだくさんのインタビューを、さっそく翻訳チャレンジしました!
数回に分けてアップしていきます。


インタビュー記事

先ずは、『Dead Shot』について、コリンがこの作品に惹かれた理由について触れます。
ちなみに、今回のコリンの役どころ、マイケルは、コリンと同じ北アイルランドのアーマー出身という設定だそうです。



スカイシネマとNOWで先週配信の新作スリラー『Dead Shot』は、『マーリン』のコリン・モーガンがアイルランド共和軍所属のマイケル役に扮し、引退間近に彼の子を妊娠中の妻がイギリス軍の兵士によって惨殺される。

Top Boyのクリエイター、ローナン・ベネットによるオリジナル脚本をもとに、トム&チャールズのガード兄弟が監督、1975年の紛争の真っただ中にロンドンのIRA中核部へ送り込まれ、復讐のミッションに乗り出すマイケルを追う。

モーガンは、最初にこの“ページをめくる手が止まらない”脚本を手にしたとき、彼のキャラクターに内在する矛盾をはじめ、多くのことに惹きつけられ、中でも、観客は誰の味方になるべきかという点における、ある種の曖昧性に魅了された。

「北アイルランド人なので、人は僕をこっち寄りだと思うかもしれませんが、この物語とこのドラマは、間違いなく両方の側を見ています。」彼はRadioTimes.comの独占インタビューで語る。
「つまり、僕は両方の側にいるということで、それはかなりの成果だと思います。」

「矛盾は、僕が主として探していることです。」彼は加える。
「60年代から70年代初頭の北アイルランドの、特に国境沿いの州にいる何人かの男が、ある運動に巻き込まれるのですが、それを見て僕は考えます。もし自分がこの時代に生まれていたら何か違っていたのか?男として生き残るには何をしなければならなのか、それは時代によって決められてしまうのか?と。」

「僕が駆り立てられたのはそういうところです…、彼は父親になりたかった、未来を生き抜きたかった。映画の冒頭では、彼は活動を置き去りにして、ただ残りの人生を始めようとしただけに見えますが、すぐに奪われてしまいます。」

作品の準備にあたり、モーガン自身がマイケルと同じアーマー出身であることは大きな助けになった。
育った時代は違えど、キャラクターを理解するのに彼の個人的な経験が大いに役立ったのだ。

「事前に僕がガード兄弟に言ったのは、僕は自分の観点だけでなく、アーマーで育った人間として持ち込めるもの全てをキャラクターに持ち込むつもりだということです。」彼は言う。

「それはタダで手に入ります、それがそういう場所で生きることの複雑さで、僕は終わりに近い時代に育ちましたが、それでも自分の文化の一部であり血となっています。そういうものを見て育つと、自分の記憶に残ります。その時代を経験していなくても、経験した大人たちに囲まれていたのは確かです。」

続く…
 屋島 やしまーる
今年のGWも、例のごとく実家のある香川に帰り、例のごとくあっという間に終わってしまいました。
帰省しても、どこへ行くでもなく家で過ごすパターンがほとんどなのですが、今回の休暇中は友人に会ったりして、さらにその友人から屋島に「やしまーる」という新たな観光スポットができているという耳寄り情報も教えてもらい、私も後追いで行ってみました。

家族に車を出してもらうことなく、JR屋島駅始発、屋島山上行きのことでんバスを利用しての観光です。

屋島3
ことでんのICカード「IruCa(イルカ)」の名称にちなんで、イルカちゃんのキャラがかわいいバス


屋島山上から屋島寺を抜けてさらに歩くと、突如現れる、近代的でオシャレな建築物、それが「やしまーる」。

屋島2

全面ガラス張りのうねうねと美しいカーブを描く回廊で、ガラス越しに瀬戸内海や高松市街が見渡せる設計になっています。
意外と距離は短かったです。

回廊の中には、源平合戦の「屋島の戦い」をテーマに制作されたパノラマアートの展示室もあり。(撮影禁止)
迫力のある大作で、見応えがありました。


やしまーるを廻った後は、帰りのバスの時間までぶらぶら散策。
これまで歩いたことのなかったトレッキングコースに行ってみました。

屋島1

GWということもあり、やしまーるや隣接する水族館などには人が群がっていたのに、トレッキングコースは見事に無人…!
しかも、細い崖道なので、崖ギリギリを歩いてちょっとでも足を踏み外すと死ぬ(!)という恐怖感もあり。
中途半端に歩いただけですが、自然の美しさと恐ろしさの両方を体感できる山歩きの醍醐味を少しだけ味わうことができました。

今回の帰省では、超久しぶりにJR四国のローカル路線、高徳線にも乗ったりして、都会と違って本数がめちゃくちゃ限られているし、駅によってはICカードが使えなかったりと不便は不便ですが、あえてローカル交通機関を利用してのプチ観光もなかなか楽しいなと思いました。
 Fabric Magazine - 2023年2月 - ジャック・ローワン インタビュー翻訳 ④
最後は、元々アマチュアボクサーだったジャックくんが俳優を志すようになった経緯、オーディションのこと、将来の夢について語ります。
ジャックくんは舞台にも挑戦したいと語っているのが嬉しいです。



怪我と言えば、元々、彼が演技の道を志すきっかけとなったのは怪我だった。
「演技は、幼い頃から本当にやりたいことではなく、なんというか、学校での好きな科目という位置づけで、演劇をいつも楽しんでいました。でも、当時はボクシングをやっていて、アマチュアボクサーで、僕はそっちの方向へ行くと思っていました。」彼は説明する。
「僕はカムデンにある小さな演劇クラスに土曜日に通っていました。でも、ボクシングもあって、ボクシングは月・水・金でした。学生時代という成長期に、ボクシングは逃げ場を与えてくれて、実際に何か困った事態になったとき、別の焦点を与えてくれました。そしたらある日、パンチバッグをパンチしていたときに背中を怪我して、そんな劇的なことではなく、大したことない些細な怪我と思っていたら、もっと深刻な、ボクシングを止めざるを得ないほどの怪我だと分かり、突然、トレーニングの日々から何もない日々になってしまって。情熱がなくなりました。」

月日が経つにつれ、彼は新たに何か打ち込めることを見つけなければならないと理解した。
「僕は演技を楽しんでいたことに気づき、もっとそれに力を入れるようになりました。突然、土曜のために生きるようになったんです、かつてボクシングのために生きていたように。」彼は話す。
「学校の宿題よりも土曜の宿題のほうをよくやっていました。そして、最初の仕事で状況は一変しました。自分はどれほど俳優になりたかったのかということを実感したんです。最初の仕事の後、1回だけ試合があって、それに負けて、何というか、もういいだろうと。ボクシングは僕が必要としたらそこにあったけど、もう必要ないと分かったんです。」

『Peaky Blinders』でボクサーのボニー・ゴールド役をオファーされた時、二つの世界は一時的に交差した。
BBCのヒット番組のシリーズ4から5にかけて5エピソードに出演し、彼はリングでのスキルを披露する機会を得た。
ただし、それ以来、彼はボクシングをしていない。
「正直に言うと、軟弱になったんです。ボクシングは恐ろしくて。」彼は笑う。

とはいえ、彼はボクシングが教えてくれたことに感謝している、特に鍛錬と準備の重要性について。
「アマチュアボクサーの時は、全然試合がないかと思えば、突然、2ヶ月で3試合とかあったりするんです。」彼は振り返る。
「なので、何があっても常に準備しておくことを植え付けられました。ランニングをして、よく食べて、体重をキープする、なぜなら、突然、コーチから土曜日に試合があると言われるかもしれないので。トレーニングが足りてなかったり、体重が適正でなかったりすると対応できません。ボクシングは常に努力することを教えてくれました。リングをオーディション・ルームに見立てた場合も、やることは同じです。脚本は読んだ、セリフは覚えた、自分は何をするか考えた、そうすると、皆の前に立つときは、すでに準備してきているから迷うことはありません。」

オーディションは、いつも厳しいものだろう。
「夢は、そういうことをしなくてもオファーが十分にある立場になることです。」ジャックは説明する。
「これまでの役は、全て自分で取りに行く必要がありました。何かを手に入れなければならないとき、それを誰かが簡単に奪ってしまうかもしれない。他の誰かとは違う形で自分がその役にふさわしいと証明できるかどうかは、自分次第です。なので、自分が十分に知られていて、監督から十分に信頼されていて、『この役にはこの人だ』と言ってくれるような立場になりたいです。そしたら、落ち着いて脚本が読めるし、自分のやりたいことができてハッピーでいられます。」

夢のシナリオはそうだが、夢の仕事は?
「それは言えません。」彼は肩をすくめ、「でも、どこかで待っていることを望みます。僕は、10代のサイコパスを演じるまでは、そんな役を演じたいと思っていませんでした。」彼は笑う。
彼は舞台にも挑戦したいと思っている。
「僕は舞台が好きです。昨日は、『A Town Called Malice』で僕の母親役のマーサが出ている舞台を観に行きました。マーサ・プリンプトンはソーホー・プレイスで『As You Like It』に出演してたんです。」彼は明かす。
「僕の演技のルーツは、アマチュア・ドラマ・シアターですが、仕事が来るのはテレビや映画です。舞台への情熱は常にあります、近いうちにその道が開けるといいんですが。やるとしたら、小さいハコがいいですね。僕は大きな劇場には興味がなくて、没入感のある小さい作品がいいです。いつか実現できたらと思います。」
その時はぜひ観てみたい。

-終わり-

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